2001-01-01から1年間の記事一覧

やさしくしてって にどといわない ないてもわめいても はむかえないくらいらんぼうに ちからずくで うまれかわったらきっと しぬほどやさしくする

 メリークリスマス

あたらしいマスカラを買いました かみがたを少し変えました 赤いタイツは去年のものです すこしずつ爪がのびるように すこしずつ胸はたれてゆきます 日々年老いてゆくわたしを あなたが忘れてしまってもかまいません なんて これは強がりですが 十二月のつめ…

12人の天使が撃った弾丸が 白いハトの心臓を撃ち抜いた日 世界が産声をあげた 鳴き声は叫びに似てる ノーリプライ ノーリプライ

 ブーツとキタカゼ

あたしが絶望したのはね キタカゼのせいじゃないの ブーツのせい 今年ハヤリの 細いヒールのブーツは魔法のよう 太い足を更に1.2倍 太くみせる ショーウィンドウの前で泣いたのは キタカゼのせいじゃないの ブーツのせい ハヤリのブーツをはいた 足があんま…

 nothing

ちがうよ うそなんかついてない なかったんだ それらはすべてなかった だからそういったんだ なにもなかったって どうしてぼくをうそつきってよぶの? それがほんとうなら あなたがほんとうなら なにもないってことが ぼくにはよくわかる あなたがぼくを う…

 sola

ひき算だらけの人生で たし算をおぼえるよりはやく かけ算やわり算をおぼえた そんとかトクとかじゃなく ふえていくばかりでも へっていくばかりでもないものがあるって 知ったのはきのう おちていくひこうきの その先にも空があるって言った きみのゆびさき…

 さいご

ごめんて言う自分がきらいで ごめんて言わせるあなたがきらいで ごめんでできてる昨日をうらんだ たとえばたったひとりの昼間 みずいろのあけがたを思って泣く 後悔はあんなにうつくしいのに ごめんってくり返すたび 喉がつまる せめてさいごは 誰にも謝らず…

11羽の孔雀 11匹のワニ 11台の自転車 11人の親友 11回の空席 なにもかも多すぎるから 11月はさびしい

 もしもし

もしもしぼくです あなたはだれですか だれでもいいです ぼくにやさしくしてください かしゃん ツーツーツー ツーーーーー・・・

しあわせなやつらなんかみんなしんじゃえ。 教室中のガラスを割った 11時間目の終わり あたしが神さまじゃなくて良かった

やさしくされると死にたくなる 夜にはどうぞ呼んでください 11月の悪魔 つめたい吐息で 息が凍るほど抱きしめてあげる

 グッバイスウィーツ

さようなら いとしいボールペン さようなら とがったパプリカ さようなら にやけたオーディオ ソフトな手ざわりの 革のバッグなんていらないの 昨日コンビニでもらった ビニールぶくろに しらけたポテトチップス つめこむ あたしはミス・ユニヴァース さわぐ…

 バケツ

砂場で遊んだ 君はボクに おしろい花のタネをくれた ボクは君に ふちの欠けたきれいなグリーンのバケツをあげた あの頃からボクたちは 心をもので買う方法を 知っていたのかな? いいえ いいえ ボクはただ すてきな君にふさわしい すてきなものをあげたかっ…

 星の墓場

気づいたら、さらさらと続く砂色の丘の上にいた。 視界の半分はだまりこくった透明な闇でおおわれている。 その下で、砂は弱い風にまかれるように姿を変える。 波打ち、跳びはね、横たわる。(ここは砂の海ね。) つぶやくと、かたわらにいる人が小さく首を…

 勇気

そんなふうには思わない ってことばが なによりもやさしく聞こえた なにも否定しない 肯定しない 勇気を どうかわたしにも ください

 腕と心

長い秋の夜 あなたをほしがる私の腕は 心からしんと切り離されてる 泣いたり笑ったりする場所からは うんと離れたやわらかい皮膚が あなたをほしがってのびる つかまえて 引き寄せても 腕と心はまったく別のものなので 心は必死にあなたを排除する 腕は必死…

とおいくもをすかしてひかるなみだのわけをおしえてよ あのかわいそうな10月が泣くほど 世界がひどいことになってるなんて ぼくは今まで知らなかった

 タビビト?

遠くへ行こうと思うんだ 言葉の通じない場所へ 心細いってことがどういうことか知りたいんだ 知り合いなんかひとりもいない場所で 君の腕を恋しがって泣きたいんだ ひとりになんか一秒でなれるよ 笑う君にはわからない どれほど求めても君の声が聞こえない場…

 ハーフピース

安心と反感の間をさまよってる あたしをざくりと半分に割って 片方をあなたにあげるつもりよ できれば上手に切れた方を だから味もわからないくらい チョコレートシロップをかけて ひとくちで食べてよ そうすれば おいしくてもまずくても きっとあなたは満足…

 ネコ

あたしがネコだったらよかったなあ あなたはあたしを見つけてえらんで きっと立派な飼い主になって かわいい女の子と一緒になっても ちゃんとあたしをあいしただろう たまにつめをたてながら あたしもあなたをあいしただろう すてきなひと だけどあたしはネ…

 世界の秘密

失ったものを数えあげるのはやめたい もう十何年そう思い続けてるのに あたしは今でもこうやって 過ぎていく一瞬一瞬を 手が動く限りのスピードで書きとめようとしてる 昨日食べた半分腐った巨峰のしなびた紫 お風呂あがりの耳裏でどくどく波うつ血流の音 あ…

 希望の鐘

星降り岬で希望の鐘を鳴らした 君とふたり しあわせな僕たち だけど作法を間違えた 希望の鐘は悲鳴を上げて 僕たちの耳をこわした あれから 僕の声は君にとって希望の鐘の音 君の声は僕にとって希望の鐘の音 「うるさいよ」 言い合って僕たちは 別れた

 勝負

人には適性というものがあるので 勝負には それぞれ強い人と弱い人がいる あなたは あの勝負には勝つから この勝負には負けてもいい そう言えば少しは気が楽ですか

 セオリー

ほしかったカンペキを あなたはくれなかった だけど 人はカンペキじゃなくてもいいって 笑っちゃうくらいカンタンな 新しいセオリーをくれた

 答え

答えなんてどこにもない わかってても君が 答えがほしいって泣くから ぼくは神さまに右足の小指を売った そうしていくつかのできそこないの答えをもらった レプリカでも君は満足して笑う 君のために ぼくは今度左の耳たぶを売る 次は右手の中指を その次は額…

 リトルモア

たたけば のびるなんて うそばっかだよ ちぎれるだけ だからもう たたかないで たたいてもいいから もう少し やさしくして

答えより確かなものを 道連れに旅立とう 9月

 ダセイ

手の中にうまれた力を 胸にまっすぐ押しあてて そして感じて わかるかなあ あたしは生きてる あなたのためでも あたしのためでもない これは 偉大なる ダセイ あたしは生きてる だから しゃべらないならさわってよ ここにいる瞬間くらい あたしを なかったこ…

 d.d

あなたのことが大好きで ほんとうに大好きで とても大切だったから あの場で「うん」て言えなかった 「うん、わかるよ」 「あなたはなにも悪くない」 そう言って 一緒に泣いてあげたかった でもできなかった 見えるものを見えるようにしか 言えなかった それ…

 猫の恋

笑ってもいいけど あたしはあのとき きみにキスしたかった きみのことが好きだったんじゃない ただあの瞬間に あいしてるって言いたかったきみはおこるかなあ だけどあたしはあのとき確かに あたしたちにひざまずく 世界が見えたよ