けいこうみどりのおゆに ふやけるまでつかった ふやけてもつかった 人工色のおゆにとけてゆく さいぼうのぎっしりつまった やわらかいひふのかけら 死んだひふのかけら さっきまで わたしの一部だったもの じっとみつめて ゆびですくって ばいばい って言っ…

ばらのコサージュを胸につけた あたしはばらじゃないけど あなたがあたしを ばらみたいだって言ったなら すぐにでも ばらみたいにきれいに咲くよ そうしていつか あなたが あたしのこころにも からだにも 興味がなくなったときも 忘れないで ばらみたいにあ…

パパがママをぶった あたしはパパがきらいになった パパがママにさわった あたしはパパがもっときらいになった ママがパパをさした あたしはママをきらいになれなかった 代わりに パパをもっともっときらいになった あたしのことをきらいになった だけど イ…

彼は詩人だったから 彼の死をだれもが悼む すばらしい人がいってしまった ざらつく灰色の紙を握りしめて だれもがそれぞれの言い方で 祈りの言葉を口にする 彼女は詩人じゃなかったから 彼女の死をだれも悼まない その長すぎる生を 知っている人はだれでも …

できることがたくさんあったら 生きるのはもっとラクなのかなあ あたしが言ったら あははとあの子は笑った （言ったねえ。） （じゃあ、あしたからあたしになる？） うん あたしはうなずいて 次の日からあの子になった そうしてあたしは 歌うことも 走ること…

そんな高度なやさしさ わかんないよ 動物でもわかるように ちゃんとやさしくして