1996-01-01から1年間の記事一覧

 ひとつだけ

ほしいものひとつだけ口にできたら それで死んでもかまわない

 ミーハー

いつだってマジメ 死ぬほどマジメにミーハーしてる どんなロジカルな言葉より カレが好きなのって どうしようもないそんなヒトコト 死ぬほどマジメに 言ってみせたい

 天使

ひとりで生きていくのかな これからずっと 身体半分誰かのためにあけたままで 見つからないさがしもの もう消えてしまったなんてこと ありませんように

 MIDNIGHT

ひとりでお茶を入れてのむ 冷蔵庫からキットカットを出して食べる それだってきっと 生きているから可能なこと

 star

なみだは砂になる ことばは塵になる からだは泥になる わたしは石になる ピアノのキイをたたいて鳴らせた3小節半 あのメロディが星になる

 死

かきたいもの全部 はきだしてカラッポになれたら すっきりするかな それとも それを「死」っていうのかな

 フハイシュウ

くさってる くさったにおいがしてる ずがいこつのてっぺんに キリで小さな穴をあけて その中に生ゴミをつめられていくみたいに 頭のてっぺんから くさったにおいがしてる つめをみがいても 髪を洗ってもダメ 身体にためたよごれの分だけ くさったにおいがする

 一ばん

ひとばん いちばん なんて読むだろう ひとばん いちばん 選んだ方が きみの気持ち

 不器用だけど

思ったことを全部 ストレートに表現できたら それが一番器用かもしれない 不器用だから嘘をつく 不器用だから服を変える 不器用だから泣いてみせる 右に流れた髪のひとすじ 小指のつめの青いマニキュア 不器用だけど恋をする

 問題

目をそらそうと努力するのはいいさ だけどその努力で問題が真実消滅したことはあるか? いつもいつも ただうやむやになるだけで お前は余計苦しむことになるのではないか? 認めてしまえ そしてあきらめろ 問題っていうのはそういうものなんだよ

なんでふっちゃったのかって? 残酷なこと訊くねえ。 うん、多分俺その人のこと一番好きだったから。 一番そばにいてほしかったからじゃないかな。

 月と星

決めちゃおうか 僕と結婚しようか ねえそんなの 月と星のどっちを信じるかって それくらいの問題だからさ

 好き

声が好き 顔が好き それは本当の好きとは呼べないのかな 身体の中ひりひり熱くなってる ヤケドみたいな痛みを感じてる そんなのは ほんとの「好き」とは言わないのかな

 my only GOD

神様が好きなあの子のことはみんな好き だけど私はあの子じゃない 神様の目からこぼれた私は ちょっとした ほんとにちょっとした苦労をしながら 私だけの神様をさがす

 七夕

手に入れたいものがあったんです 七夕の夜から それを忘れてしまったんです 不安でたまらない さびしくてたまらないんです これを自由と呼ぶのはやめてください どうか、どうか

 夏の頂点

夏の頂点てどこにあるんだろう たとえば八月の昼間 かげろうのたつアスファルトを踏みしめ歩いてるとき 星の落ちる深い夜 花火大会のポスター 真昼の嵐 限界を知らないあの勢いが不意にしぼむ その寸前に たかくたかくとんだ夏のしっぽをつかまえてみたいんだ…

 真夜中の電話 君へ

会いたい人がいたなと思ったんだ 真夜中 誰が見てるのかわからない洋楽番組を見てたとき 電話をかけてみようかな そう思ってから 深夜二時っていう時刻に気づいて かけるのをやめた そのときにはそれが誰だったか 思い出せなくなってたんだけど あれは君だっ…

 ひとり

夢の中でだきしめてくれた身体があつかった ふれる手のひらが 押しあてられる鼓動があつかった だから目が覚めて たったひとりつめたいベッドにいても ひとりじゃないってわかった 間近で笑った君の顔がとてもきれいだったから 僕はひとりじゃないってわかっ…

 世界で一番死に近い僕のいる場所

タカイところから落ちたら死ねるんだろう? 誰が決めたのかなんて知らないけれど 僕はこんなに下のほうまで落ちてきたのに どうしてまだ生きてるのかな 誰か教えてくれる? あと1メートルもぐれば全てが終わる いつだってそんな場所にいるのに

 magic

大丈夫 平気 心の中で幾度もくり返した 口にしたら効力がきれる 汗ばむ手のひらに閉じこめた magic

 プライド

長い髪が好きと聞いて 二年のばしてた髪を切った 赤いシャツかわいいねと言われた次の日 白いシャツを着たりした 意地だしプライドだから 一番聞きたい言葉しか 素直に聞かないって 決めてる

 雨の日のデート

あいたい人にあおうと言えない その言い訳を後押しするみたいに雨が降る 「梅雨だからね」 雨の日のデートも悪くないよ 言えない私の不甲斐なさを 雨が後押しする

 笑顔

「嫌いだよ」 口にした瞬間の後悔を 見すかすみたいに笑う 手の届かない笑顔が いちばん嫌い

 冬の少年

いつの間にか初夏が近づいてる あおい木々の匂いに窒息しないよう気をつけなくちゃ ここから冬まで また長い長い旅がはじまる

 出会い

あなたを好きな あたしが好きだよ そう言える出会いを つみかさねて 生きてゆきたい

 寒椿

つばきが散るのを見たかい? つめたい土にぼとりと落ちた 濃いピンクの花たち 雨にぬれて土に埋もれた あのかたまりはもう花じゃないのに みにくい花の残骸でも 君は踏むのをためらうだろう 時が彼らをやわらかな土にのみこませるのを 何もせずにただ待つだ…

 春になったら

「春になったら服も買いに行こうね」 車で三十分ほどのレンタルビデオ屋さんからの帰り道 トラックとタクシーばかりの道で よごれた赤いゴルフ走らせながら 会話の続きみたいに唐突にお父さんがそう言った そうだねと私は返事をする 手の中にはごまかしみた…

 雪の日に

すりガラスの向こう うつる景色が白い 海にあこがれる空は青く 太陽にあこがれる空は赤く 雪にあこがれる空は白く そまる 白い空を真似た 吐く息は今日も 白いよ