腕と心

長い秋の夜
あなたをほしがる私の腕は
からしんと切り離されてる
泣いたり笑ったりする場所からは
うんと離れたやわらかい皮膚が
あなたをほしがってのびる



つかまえて
引き寄せても



腕と心はまったく別のものなので
心は必死にあなたを排除する
腕は必死であなたにしがみつく
私は思う
あなたと一緒に
この腕も排除できればいいのに



心だけで生きるなら
あなたなんかいらない



思うより強い力で
私はあなたに腕をのばす