飲み込んだ言葉が 知らぬ間に首の後ろから生えていた 頼りなく伸びた枝に ついた実をあわててもいだ やわらかい実はことこと揺れてた あまい匂いとそれから 笑い声がしたの だれにも見られないように 聞かれないように無理やり食べた 味なんてわからない ひ…

ありえない戦いに挑む人に グッドラックを投げたいけど ほんとうはその背中を射殺したい あなたが前の戦いで 壊した子どもが胸の中にいる キリキリとまだ悲鳴をあげてる わらをつかむ強さでわたしの奧をひっかく 終わってない 今はもうわたしの胸もおとなだ…

やくたたず ののしってもいいよ 気にしないさ きみは世界じゃない

３回となえて手のひらを封じた 遠ざかれ こころよりもずっとあなたに近かった場所

2001年の前向き大王に 駆逐されたぼくの不実が きみの脚にくっついてるのを見たよ 膝の裏にはりついてヤツは とても幸福そうだったよ 殺したって死なない つぶやいてぼくは 少しだけ胸のすく思いで ８号館の階段を駆け上がる きみの脚をながめた

人間にはニオイがあるから ひとによって味は変わる 煮ても焼いても喰えない お前なんか 生で喰うしかないだろ？ ―― いただきます。 （手を合わせて）

彼にごめんを 彼女にあいしてるを 彼らに祈りを 残して旅に出るなら きっと南へ行く

床に敷かれた血がおそろしくて ベッドから出れない 「マボロシだよ｣ 言うならあんたが現実を教えな

知らないクセに ほしいんだ？ 正しいね 知ってしまったらきっと 愛なんて 割に合わない

きのうはね ハッピーラッキーデー わたしにはちがったけど きっとあなたの あしたはね ハッピーラッキーデー あなたにはちがうけど きっとわたしの まいにちがね ハッピーラッキーデー しらないまちかど きっとだれかの

ほしいものなんかない どうせ手にはいらない 言うなら おれをほしがればいいのに そうすれば おれが手に入れてやるのに あんたはいらない 言うおまえはまちがってる おまえのやり方はまちがってる 証明をいつか きっといつか したい

ぼんやりと窓が青い明け方 あるはずのない時間に目が覚めた だれが呼んだんだろう？ 不思議に思って、また眠った 冬が来たんだね 本日は立冬です

虫かと思った あなたが私の中で もぞもぞと這いまわるから ぶんぶんと落ち着かないから 虫かと思った たたいてつぶした あなただって気づかなかった 気づかなかったんだ

あんたのそーゆーとこがきらいなんだよ。 顔をそむけて、むくれて言った。 ……告白だろ？それ。 ふりはらわれた手をぶらぶらゆらせて、 笑ってやった。

きずつくのはイヤだけど 笑ってもらうとうれしいんだ 仕方ない ひどいことも たのしいことも シュンカンはあんまりにシュンカンで くらべられないんだ 仕方ない うたがったことはないよ あたしはあいがほしいの あなたのくれるものを みんなほしいんじゃない…

きみがやまなら ぼくはきみにのぼるきみがうたなら ぼくはきみをうたうきみがとらなら ぼくはきみにくわれるきみがこいなら ぼくはきみをたべるきみがそらなら ぼくはきみにおちるきみがくもなら ぼくはきみをながめるきみがきみなら ぼくはきみになく

置き去りにされたのは 思い出ではなくあなただから 胸が痛むのは気のせいでしょう 色あせていくのはあなたではなく ふやけていくのはあなたではなく 止まっているのはあなたではない 過ぎた季節を歌ってもいいのよ あなたは変わらずそこにいる ゆがんだ白い…

遠くはなれてしまったことに気づいて さびしいを通りこして ありがとうと思うのはいいことだ かつて好きだったものが どうしようもなくすてきだったものが 色も匂いも失ってただの物体と化しても 泣きたいを通りこして ありがとうと思うのはいいことだ さよ…