2000-01-01から1年間の記事一覧

 アンタレス

5カラットのダイヤより イミテーションのルビーをちょうだい 血よりも赤くざわめくアンタレス あの光を胸に今まで生きてきたのだから

 レイニー

レイニー 君の名を呼ぶ レイニー 世界をブルーグレイにそめる そのしめった指先で レイニー どうか ぼくの心に巣くう七匹の虫を 溺死させてください

 アイノカタチ2

セーラー服も着るし リボンもつけるよ ウエストをベルトでしめて ネイビーブルーのプリーツスカートだってはくし ドナルドダックの真似だってする もしそれで君が ほんとうに笑ってくれるんなら

 ナガソデの恋人

きみのこころは いつもナガソデを着てるから ぼくはきみに あたたかいセーターをあんであげる あたたかいくつしたを買ってあげる あついあついあつい日にも あたたかい紅茶をいれてあげるよ

 泣かない女

あたらしいマスカラは ヘレナルビンスタインのブルー 4500円もしたけれど これでもうボリュームアップも ロングラッシュも思いのまま たったひとつのモンダイは ウォータープルーフじゃないってことだけど (つまりね、水に濡れると落ちちゃうのよ) 解決策…

 I.B.W.

あなたのもっている ことばをぜんぶ あけっぴろげになげだして そしてわたしをほめてください たまにはせかいをシンプルに うつくしいとおもってみたいのです

 ピーターとコーディー

心のせまいピーターには コーディーの言葉がわからなかった 人を疑うことばかり上手だったピーターは コーディーの気持ちも態度も勝手に分析して いつものようにコーディーに点数をつけた コーディーはひとつため息をついて ゆっくり頭をふってそれからは ピ…

 It's my life.

つめをぬるように手帳を黒く埋めていく わたしの人生を鼻で笑う あなたの孤独を埋める材料を教えてください

 カナシイコト

カンタンに否定してくれていいんだ だってキミはボクの人生に何もカンケイがない ボクの全てにたったヒトコト 「ノー」って言うことだってキミには許されてる ねえキミと一緒にボクに向かってそう言えたなら それってどんなにステキだったろう だけどボクは…

 透明な小石2

階段からとびおりろって言われた とびおりて その子は心と身体にけがをした どうしてそのとき その子はイヤだって言わなかったんだろう 同じ服を着た子どもにひとこと そんなのばかげてる そう言ってやらなかったんだろう 今更そんなこと言っても仕方ないじ…

 春

春ははじまりの季節です テレビが言うから じゃあ冬は終わりの季節なんですか? まぜっかえしてみたくなる つめたい空気も強い風も 朝昼とわず変わる天気も通り雨も 春だからと人々の反応はやさしい 同じようにやさしい顔のできないわたしは 春のふくを着て…

 April and May

せわしない4月のまんなかに落ちた 消えた約束ひとつ いとおしんで中指にくぐらせた つめたい感触にひやりと背筋があわだつ だけど 涙を流すのは熱すぎるからやめよう? パステルブルーのカーディガンをぬいで外に出る 散った桜を惜しむのもやめよう? あざ…

 サタデーブランチ

アスパラガスみたいにまっすぐな君の足に マヨネーズをつけて食べよう

 ジラフ

胸を1キロ売ってあげる だからアニエスbのスカートの似合う キリンみたいなあなたの足を ひとばん私に貸してください

 SILVER RING

あしたは木曜日 あたしは学校をさぼって 新宿のデパートへ なんの変哲もない シルバーのリングを買いに出かける だけどお願い おこらないでね、先生? だってこの左手の薬指が 毎晩夜通しさびしがって泣くんですもの K18って裏に刻まれた 小さなダイヤモ…

 SEVEN STAR

「生きるって結局そういうことなんだよね」 パステルめいた色彩のアイスコーヒーが くもったグラスの中 窓からの日射しをうけてちらちらとゆれてた わたしはあなたの顔の下半分ばかり見てた 窓の外は初夏の陽気で 気の早い女の子たちが腕や足をむきだしにし…

 春の夜

どうでもいいと思うことばかりで 世界ができているなら きっともっと幸せだった ほしいもの ほしいもの つかみたいこと くりかえしてることばは 砂つぶのおもさで ほこりまう空にさらわれて すぐにみえなくなる なみだも出ない あしたはない ばかだねってあ…

 相互不理解

ぼくは何かになりたいわけじゃない きみが彼女になりたいのと同じように

 レディメイドレイディ

要らないものなら要らないって言いなよ どうしてそんなに欲張って全てを持つの? 十本の指にきらきら光るおもちゃみたいな指輪をはめてる 誰もあなたの哀しみなんて理解しない

 midnightblue monster

涙を流すことをやめた わたしは泣かない子どもです 痛みや悲しみや苦しい朝は わたしにはなんの関係もないことです ただときどきからっぽの空を ミッドナイトブルーがうめつくす夜に 胸の奥に住む魔物が 生クリームみたいにたよりない あまい言葉をほしがっ…

 旅人2

後悔はどこからやってくるんだろうって 君が訊くから 西の丘をこえて少し歩いたところにある 荒れはてた小屋に吹く 透明な風の名前を教えてあげた 絶望はどこに沈んでるんだろうって 君が訊くから 北の森を深く入り込んだところにある 小さな苔色の沼に住む …

 透明な小石

ごめんって言うのはあまりに勝手すぎる気がして 結局最後まで僕は君にそう言わなかった。 ありがとうって言うのはあまりに簡単すぎる気がして 結局最後まで僕は君にそう言わなかった。 だけど君と別れて コートのポケットに両手をつっこんで 夜の池袋を駅に…

 冬少年

かみをあらって出かけよう おもたいコートはぬいで 通りぬける風のつめたさに きみのかなしみを思おう きりすぎた前髪は春をよぶ呪文 むきだしの手のひらを とおい太陽にすかして きらめく熱のないひかりに春を待つ きみのよろこびを思おう

 青い果実

あの人のキスを夢見ちゃいけない それはあなたを不幸にする 禁断の青い果実 禁断の甘い不実

 ピジョンズブラッド

おいかける立場の人間になんてなりたくないってずっと思ってた 強いその思いはやがて神様の知るところになって つめたい風の吹くある朝わたしの願いは突然かなった うまれかわったわたしは 誰のことも好きになれない呪いをかかえて 夏も冬も歩き続ける その…

 MY WAY

仕方ない わたしはわたしの思うとおりにやるよ わたしにはあなたと同じ服が着れる わたしにはあなたと同じくつがはける だけど あなたと同じ生き方はできない

 イヤリング

胸の中につめたい星をだいてる 耳たぶでは小さな星を飼ってる