2002-01-01から1年間の記事一覧

 フェイクスター

その髪はきっと 彼女を 彼を 笑わせるためにあるんだね わたしも笑った つゆぞらの街を泳ぐ フェイクスターのむれ つのをもたげて 花束より 戦車より ずっと ヘイワだよって言ってる

 フールキング

防水加工の革ぐつで はねとばす 水たまり 虹色のまち 水玉チェックのカサはバリア だれも追ってこない やわらかい針にまもられた この場所で 王さまみたいに笑おう

 不細工な恋

不器用でもいいとは言ったよ だけど不細工でもいいとは言わなかった だから 終わるんでしょう?これは あたしたちは不細工だった それだけで終わるんでしょう? 恋は

 circle of violence

ふりまわした傘からこぼれた 雨の匂いがつらかった あの日の鼓動が耳裏で鳴る 忘れるってどうやるの? 甦ってくる一瞬一瞬を ぼろぼろに崩したいなら 今、この雨をとめてよ

 味方

ものみなくさるろくがつ あなただけが わたしのみかただ れいぞうこ

 candy

からだがはしからとけてゆく くさっておちる ウデ、アシ、セナカ さいごにのこったリトル・キャンディ どこまでもあおい マーブルもようのスイート うつくしかったら きみのかちだよ

 罪と罰

きんと透き通った青にパステルをまぶした そらいろのソフトクリーム 食べてはいけないときつく言われていたけれど とけだす瞬間のうつくしさにいつも見とれた なめとるきみの舌をずっと見たいと思ってた あれが毒だなんて知らなかった ぼくたちがためされて…

 カラー・シー

背骨のとけたカエルがうたう ルルル ラララ ピンクマーブル チョコレートの洪水 ビッグドロップ つやめいてとけだす ポテトチップの雨をふらせて 泣いたナメクジがうたう ルルル ラララ 色のないうつくしい世界へ ぼくたちをかえして

あなたがわたしにくれたもの ばらのゆびわ どろみたいな愛情 すべて やさしいうた

神さまは言葉を奪って ぼくらは心を4等分した 鈍色のナイフで

 肉好き

「ぼくは、『毒にも薬にもならない』という言葉が好きだ」 「そう? あたしは、『毒を食らわば肉まで』の方が好きだわ」 「………」 (それは、『皿』だ)

カウント4で蹴り倒した 狂ったように芽吹く緑を 押さえつけていた 白い闇よ いま砕け散れ

 うつくしいゆめのおわり

あなたがわたしに見せた 400万画素のゆめを解像できない わたしのスペックを哀れんで あなたがくれた涙が 昨日わたしを停止しました。

青いポリ容器のフタをカタカタゆらす あの風が本当に青かった場所で 開いた妄想 4月

 やくそく

きらいにならないでね きみがいった ぼくはそのとき きみがもうきらいだったから うんっていった しがつのおわり つつじと ひのさすつうがくろで かわしたやくそく すてずえいえんにまもる

 memory

少ないメモリで必死に生きてる わたしのメモリを増設できないなら 聞かないフリを許しなさい あなたのコトバを受け入れたら わたしは止まるわ一瞬よ それがイヤなら 今開いてるアプリケーションを終了するのを 黙っておとなしく待ちなさい 準備ができたら笑…

 LIFE

ダブルクリック 軽い人差し指で ひらく とじる ひらく とじる 波打つココロを しずめる方法 ひらく とじる ひらく とじる (オープンユアウィンドゥ) 左クリック 右クリック 左クリック 右クリック (クローズユアマインド) すべてを選択 アンド デリート.

 フールガール

のばしたつめは とうめいでも ゆるされないんだって 知ってた? 三時間目が はじまったばかりの教室 ひきずりだされたあの子は きばをおられてかなしくほえた かわいそうねって ささやくよりはやく こゆびのつめに バンドエイドをはるわたしたち みえないき…

 永遠に似たもの

さようなら って言うよりはやく ずっと大きい気持ちで 大好きだ って言う くり返しくり返し 大好きだって言う その言葉だけ 気持ちだけが ずっと光る 私の中でずっと光る 永遠に似たものに なる

 さむい

ひえた足が さびしいね と 言うので それは さびしいじゃなくて さむいだよ と おしえてあげた わからない? ぼくだって わからないよ さむいね

 ブラッドストーン

スタールビー ひかるあなたにひかれる あたしはブラッドストーン 砕けた血を散らして ころがり続ける ひかるあなたをとり囲む こまかいダイヤのひとつに なりたかった

2度とあわないヒトは死んだも同じコトだから 2番目の月 うすぼんやりとしらけた千葉の海で あたしはあなたを2回殺した

 2月

2月はいつも海にいる。 暗い冷たい海が好きなのだ。 「トク**ベツって**いう、の、は」 「サ*ミシイ**もん、だ、な」 「*♯××・・・*」 「お*れはトクベ**ツだった、か、ら」 「**イジワ**ルされたん*じゃ、な、い」 「イジ**ワ*ルされ…

 ゼリー

あまいゼリーの海の底で、息苦しくてあたしは泣いたのですが、泣きつかれて見上げた水面のはるか上方では、シャーベットグリーンの星が、ちかちかとまたたいていました。「こんにちは。こんにちは。ここはとてもさむいんだ。」星はなんども言いました。そう…

 like you

うまれかわったらきっと きみのことを断罪するよ 約束する だから今は 抱きしめてもいいかなあ? やさしいいちがつ あたしはずっと きみみたいになりたかった

 lost piece

きのう半透明の 欠けたビー玉をひろいました あしたはずっと 遠くの街にあります あたしが今いるってだけで 他にはなんの意味もない ここ 片翼のひこうきを持って 途方にくれた顔で あなたが立ってました 傷口にカチリと 欠けたビー玉をはめこんで みずいろ…

 クライム

「今死んだら悪霊になるよ。」 「ずっと、さいごまで、そう思い続けるのが、理想。」 クライムはずっとそう言っていたから、 彼が本当に悪霊になったと聞いたとき、 わたしもシクスもなにも感じなかった。 ただ良かったなと思っただけだ。 強く思い続ければ…

 あたらしい夜明け

きみが歌をうたえなくなっても 心配しないで ぼくが歌をうたってあげる 日がくれるまで 声がかれても きみのために おんちな歌をうたってあげる きみはあきれて 泣いて いやがって わらって つかれて そうしてきっと うつくしいメロディを 思いつく ながいな…

 こわかったんだ

ほんとはあのひともこわいんだ いつだって ほんとはみんなこわいんだ うまくいってわらっても 失敗してへこんでも 外から見てるだけじゃわからない みんなどうやって はじめの一歩をふみだしたんだろうね? その勇気を思うと いつだってぼくは泣いてしまう …

 つるぎ

こんなにもやわらかい武器で 傷つくほどやわらかい心 不完全なぼくたちに与えられた 不完全なつるぎ ふりかざしてもあなたは笑ってる 知ってるよ 突いても払っても あなたに傷なんてつかない ふりまわしたつるぎの切っ先で 傷つくのはぼくだけ そして笑う あ…