寒椿

つばきが散るのを見たかい?



つめたい土にぼとりと落ちた
濃いピンクの花たち
雨にぬれて土に埋もれた
あのかたまりはもう花じゃないのに



みにくい花の残骸でも
君は踏むのをためらうだろう
時が彼らをやわらかな土にのみこませるのを
何もせずにただ待つだろう
ほんの少し目を細めて



やさしい君のきれいな足は
つめたいコンクリートにだけふれる
こわれた僕は黙ったまま
つばきが散るのを見ている