残暑お見舞い申し上げます
どこからか
花火をあげる音がする
子どもたちの歓声にまぎれ
聞こえてくるのは
夜風にゆれる風鈴の
ちりちりというかすかな響き
黒飴をなめながら
ぼんやりと
机の上のハガキに向かう
残暑という言葉を
しみじみとかみしめたくなる
こんな夜
あなたはいかがお過ごしですか
耳元でぶんぶん飛びまわっていた小さな虫
蚊取り線香の匂い
身体にまとわりついてはなれない夏が
夜をそめかえて
熱く光る
うだるように
けれどやわらかな
夏の夜
夏ばて気味のわたしから
あなたへ
残暑お見舞い申し上げます