friendship

「なにしてるの?」 「息してるよ」 「それは、なにより」

言ったら終わりになるなんて そんな魔法の言葉はないよ さあ 叫んでみせて

 フィルター

かなしみをふさぐフィルターは青く じょうねつをふさぐフィルターは赤い ほんとうはどんな色なの? 知らない。

うまれたときから数をかぞえてる 1秒にひとつ半 2秒でみっつ 苦しいに決まってるじゃないか とおになる前にみんな死んでしまうよ うん、罰だからね。

クリスマスの殺害計画を考える4月。

あなたが笑うと安心するのは愛のはずなのにどうしてなの悲しい。

口がさけても言えないことは おみそしるにとかしていただきます。

ためいきにいろをつけるならきみのいろだよ

元気? 手を振って別れるだけじゃなく 走り寄ることもできるって 信じていたのだけど。

走るサイレンと一緒に叫んだらひどい耳鳴りがした 残るサイレント撃ち抜かれて倒れたら全ての通りすがりが優しかった

 合図

それが涙だったことに長い間わたしは気づかずにいた。 あのとき彼が泣いていたことに。 なんて愚かだったんだろう。 わたしはそれを、合図だとばかり思っていたのだ。

ちがうのそうじゃないの 何度言ってもうそはほんとうにならないけど つまることばが気持ちいいの なんて、どうかしてるね ちがうのそうじゃないの 何度言われても信じるなんて さいしょから信じてないのと同じだって 思わない? どうかしてるね

サイレンが光る音を聞いたんだ わんわんと遠く通りをのびて 生きていることを知らせてるんだ

 濁

なにものでもないぼくがなにものでもないきみをだくとき

アプリコットのピアノなの あまい音でなるの

クリームをぬりこんだ指先で額にさわって やさしいものみたいに笑った

 未来

うまれて1度も望まなかった未来 踏みつけた足だけが現実にする

抽象だって役に立つよ ほら、きみが黙る

だいじょうぶ? 訊かれていつもびっくりする 反射で答える うん、だいじょうぶ その程度にはいつも きっとだいじょうぶなんだ

ばかにしていいよ あなたは私をばかにしていい だけど私は私をばかにしない そう決めたんだ たとえどんなにちっぽけで 取るに足らない戦いでも がんばれって言ってやる 「がんばれ」 今までもこれからも こんなふうにここでずっと たったひとりなんだから

世界は広いんじゃない ただ遠い 君のいる場所にとても届かない だから、ないも同じなんて それは嘘だ

違うなら 違うでいいのに 君が傷つくことに ぼくは傷つく

やくたたず ののしってもいいよ 気にしないさ きみは世界じゃない

3回となえて手のひらを封じた 遠ざかれ こころよりもずっとあなたに近かった場所

人間にはニオイがあるから ひとによって味は変わる 煮ても焼いても喰えない お前なんか 生で喰うしかないだろ? ―― いただきます。 (手を合わせて)

知らないクセに ほしいんだ? 正しいね 知ってしまったらきっと 愛なんて 割に合わない

 立冬

ぼんやりと窓が青い明け方 あるはずのない時間に目が覚めた だれが呼んだんだろう? 不思議に思って、また眠った 冬が来たんだね 本日は立冬です

 さよならだけが

遠くはなれてしまったことに気づいて さびしいを通りこして ありがとうと思うのはいいことだ かつて好きだったものが どうしようもなくすてきだったものが 色も匂いも失ってただの物体と化しても 泣きたいを通りこして ありがとうと思うのはいいことだ さよ…

のばした手を ふり払われるのがこわいんじゃない ふり払うのがこわいんだ つぶやいてぐずぐずしてる これがきもちいいなんて まったくどうかしてる

七転び八起き なんどだって起きあがるさ だれだって すきで転んだわけじゃないから