2005-12-12 どうせ春には 詩 君がかなしいのは 泣けて仕方ないのは 冬のせいだよ 空気がまっしろにつめたく乾いているせいだ きらきらとまたたく電飾が君の瞳を刺すからだ 君がくるしいのは 痛くてたまらないのは 僕のせいだよ 長いコートの裾を乱暴に蹴り飛ばして かじかむ指先をなじって呪って早足で歩く 好きなだけ罵倒しなよ じき明るい季節だ 君を幾重にも抱きしめる僕の羽に 君はこごえるばかり 僕がかなしいのは 泣けて仕方ないのは 君のせいだよ いいんだ どうせ春には とけて消える