プログラム

後悔するよって君が言った
そうかもねって僕は答えた


正直に言うよ
あのとき僕の胸に君はひとりもいなかった


君が必死で修正するプログラム
壊しても壊しても復活するプログラム
それこそが僕の捨てたいものだった


君のプログラムに永遠にとけこめない
自分を恥じて生きてゆくのはイヤだったんだ


君を全部捨てた僕の胸はカラッポになって
息を吸うとただ冬のつめたい空気が満ちた


世界と僕は調和して
僕はうまれてはじめて
生きるってこんなことだと思ったんだ