夢物語
心をさらけだして
生きてなんかいけない
それなりの気持ちを
見栄えよく飾り付けて
ぽとんと人前に落とせば
ほらごらん
うまくいくでしょう
わざとらしいって笑う人は笑えばいい
引っかかる人はいくらでもいる
指の間をすり抜けて落ちる砂の感触が
心に痛いなんて誰も思わないから
失恋という響きはスキ
恋愛という文字もスキ
パステルに染まった春だからいい
一緒に冬を過ごす気はない
本気になったらおしまい
信じたいよ
信じさせて
くだらなくないなら
くだらなくないってあたしに教えて
どこにあるの
誰がいるの
死んだ方がマシってくらい
みにくいあたしがいるところ
見えてくるのは自分だけ
涙を流すのも自分だけ
救いのない夢物語