十和田

けいこうみどりのおゆに
ふやけるまでつかった
ふやけてもつかった



人工色のおゆにとけてゆく
さいぼうのぎっしりつまった
やわらかいひふのかけら
死んだひふのかけら
さっきまで
わたしの一部だったもの



じっとみつめて
ゆびですくって
ばいばい
って言った



ばいばい



きたないのはおまえじゃなくて
ほんとうはわたし
だから良かったんだ
わたしからはなれて
これでとおくへゆける



ゆびさきでつぶしたら
おともなくかたちを消して
けいこうみどりのおゆにまぎれた
やわらかいひふのかけら
死んだひふのかけら



さっきまで
わたしの一部だったもの



ばいばい



つぶやいてすこし
泣いた