1998-08-09から1日間の記事一覧

 絶望の住む闇

世界のどこか くつおとより少し低いところに 時折小さなくぼみがあって そこに秘密がおちている ガムみたいにカカトにへばりつく その秘密をふりはらいたくて 君は足をふりあげる それこそやつの思うつぼさ 世界のどこか くつおとより少し低いところに 時折…

 バカンス

六人がけのテーブルの席がふたつだけ空いてる そのひとつを埋めるはずだった人のことを思う その人のしぐさを 横顔を 背中を 声を 私ははっきり思い出すことができるのに その人が空いた席に座ることはないのだ さみしいわけじゃない さみしいわけじゃない …