2004-05-08 ノーウェア 詩 すごくやさしいゆめを見たんだ そこにはぼくがいなかった なにもかもが朝焼けみたいにとおく うつくしかった やさしいことはむずかしくない いなくなってしまえばいいんだ はればれと思ったのにぼくは 目覚めたとき泣いていたよ あたまがひどく痛んで ちっともやさしくなかった この日常をどうする? きみの手のひらについた肉を 熱心にさわりながらぼくは 近さと親しさを混同するだけ 息をひそめて とおまわりに近づいていく どこにもない やさしくないなあとぼやいて はなれたきみの指先がやさしい