自殺ゲーム
絶望を知らないんだね
「死ぬ気でやればなんでもできただろうに。」
その台詞がどれほど遠いのか知らないんだね
彼らは死ぬ気でなんか
もうなにもやりたくなかったんだ
こわいばかりで
よわいばかりで
たった一歩踏み出すことさえ
そのタイミングをはかることさえできなかった
ねえ、それも絶望というんだよ
希望や勇気がやってくるのを見つけたら
彼らに教えてあげなよ
きっと驚きもせずくちびるを噛むよ
「ああ、ほら、思った通りだ。」
「やっぱりあんなに遠かった。」
つぶやいて手を取り合って彼らはまた死んでいくんだ
疲れ果てることに疲れ果てることもできなかった
半端でよわい子どもたち
彼らもまた知らないんだ
絶望にまみれて踏み荒らして生きる
鈍感でつよい大人たち
だれもが本当は少しずつこわいっていうこと