タフネス

ひとは案外そうであったことを簡単に忘れてしまうものだ
都合よく踏み散らかして拾い読んで平気な顔だ
いま馬鹿にして切り捨てた
彼を笑うことはあなたの過去を笑うこと
気づかず気にも留めず気に病まず盛大に笑い飛ばしてまた忘れる
ああ、なんてタフネス
打ちのめされるのはいつもこちらだ
その圧倒的な忘却の精度にあきれて殴って笑うのだ