SKY

あなたが元気でうれしい。なんて、はっきり言ってウソだった。本当は、あなたがみじめであればいいと思ってた。元気な顔を見てがっくり来た。だけど、あなたがみじめなら良かった。なんて口にするわけにいかないし、顔に出すわけにもいかないし、良かったねとかなんとかかんとか言って、並んで座って、服をホメて、「おいしいね」ばっか言って、なかよく写真に写ってしまった。気は晴れなかった。イライラした。やつあたりしたかった。排水口につまった髪の毛みたいな気持ちだった。みじめだった。変われない自分の強がりを憎んだ。わたしは今夜もわたしだった。そのことになんだか安心した。ふざけて抱き合って、また遊ぼうと笑って、心の中では舌を出した。きっといつか不幸になれ。ヒールを鳴らして歩く、わたしは今夜もわたしだった。パープルグレイに曇る夜空。満月にはほど遠くても、空は空だと思った。