デッドリング

穴があいてるんだ
だから鳴るんだ



この音をきれいだって君は言ったね



なみだが出るほどうれしかったけれど
ごめんなさい
どうかこの音を愛さないで



ぼくはぎゅうぎゅうになりたいんだ



どんな小さな音も
鳴るすきまがないくらい
この穴をいっぱいにみたして
その重みで死にたいんだ



さわやかに高い
夏の空のようだとほめてくれた
音が鳴るたびにけずれてく



この穴にどうか心ばかりの詰めものを



こんがりやけたターキーよりもぎゅうぎゅうに
ぼくは鳴らないものになりたいんだ