ガーベラ

中目黒の商店街を
あなたと歩いてるとき
花屋の店先に好きな花を見つけた



この花が好き
言ったら
ガーベラ?
あなたはイヤな顔をした



名前がきたない
かたちが下品
カオばっか主張して
全身のバランスが悪い女みたい



はきすてる口調で言って
それから
おまえみたい
そっぽを向いてつけ足した


あなたはずっとイヤな顔をしてたけど
あたしの方を見なかったけど
ありがとう
あたしは笑った



だって好きな人に
きみは花みたいだって
ずっと言ってほしかったの
ほんとよ