メテオライト

キオに伝えたいことがあった。
あたしのこと。
ぜんぜん意味なんかない。
でもだいじなこと。


ぶかぶかのTシャツを着てた。
大きいだけの手であたしの髪をなでた。
「生きてるんだろ?」
「だったら、お前だって俺だって失うばっかじゃないよ」
そう言って笑った。
フューシャピンクの目をした人。


とめないでよ。
あたしはかなしいんだ。
泣いてるんだよ。わかんない?
熱くて強いものがほとばしってる。
あたしの目をふさぐ。
なにも見えない。


この涙で。


ここにあるもの全部、
あたしをつくったもの全部、
キオを殺したもの全部、
撃ち倒してあげる。


「メテオライト


あたしの中にある石をきれいだと言った。
あのひとを忘れて、あたしはもう一度からっぽになる。