動けない子ども

「あなた知ってる」
「動けない子どもでしょ」



その言葉に傷つかなかったわけじゃない
重い左腕を持ち上げて
金色の巻き毛の小さな頭を
ふき飛ばしてやろうかと思った



だけど僕は本当に誰の期待にも応えたくなかったので
あいまいに笑って目を閉じた
遮断された世界はあまいお茶の香りがした