1999-04-15 フォーカス 詩 まるで泥みたいだと思った 語尾のはっきりしない言葉 絶えずさまよう視線 だらしなくゆがんだ口元 きちんとしたかたちのあるものを何も持たない 君はまるで泥みたいな人間だった ただ右手の中指にはめた 白い花をモチーフにした指輪だけがきれいだった 僕はそれだけ口にした ぽかんと間抜けな顔で僕を見た 君は次の瞬間病的に白い前歯を見せて 少し嬉しそうにとても恥ずかしそうに笑った その笑顔に かしゃり。 僕の中でフォーカスがあった