1998-05-09 なみだがでるんだ 詩 なみだがでるんだ あいしてるって君にちゃんと言えなくて なみだがでるんだ あいしてるって君の声が遠すぎて 僕らこうして夜の底で やわらかいものにしがみつくみたいに どこか必死に 半分は惰性で お互いの手にさわっているけど 明日の朝になれば当たり前の顔でこの手を離して 今はかたくかたく閉じられているあのドアを開けて 外へ出て行かなきゃならない 日の光の中へ 君のつめたい髪に未練残すひまもないまま なみだがでるんだ あいしてるって僕の声は届かなくて そして横を向いた君の輪郭がぼやける