学校をやめた日

ひとりでお茶をいれて飲んだ
午後四時
お茶を飲まない?
だれかに言いたい自分が
少しかなしかった


お茶の缶をあける指
ポットをつかむ手つき
いつの間にか身体が憶えてくれた
そんな動作によって
いれられた一杯のお茶に
私はとてもなぐさめられている


五本の指
二つの手首
髪も
爪も
耳たぶも
眉毛も
すべての身体を
私は今まで
ずっと造り上げてきたのだ
それなりに一生懸命に


だから今
私がひとりでお茶を飲むことも
ゆうべ頭が痛くなるまで泣いたことも
すべてがきっと
私を造り上げるために必要なことなのだと
苦くて熱いお茶を飲みながら思う


学校をやめた日