神の場所

窓の向こうには街があります
灼熱の槍が降っています
空気は湯気のようにゆらゆらゆれて
人は皆、蜃気楼の向こう楼閣を目指して
重たい足を運んでゆきます



手を振ったら届くでしょうか
声をかけたら振り向くでしょうか
うつろな瞳の焦点をひとつに結んで
やせこけた足を引きずりながら歩いてゆく
その先にあるものを
いつあなたたちは知るのでしょう



熱風とアスファルトだけが待つ音の消えた世界
永遠に続くその道から逃れる方法はたったひとつ
からからにひからびるだけなのに



一枚のガラスで隔てられた小箱の中
私はいつまでこうしていたら良いのでしょう
はるかな過去の本能だけを身体に残して
ひたすらに前に進んでいこうとする
あなたたちの瞳に私が映ることはもうないのに



あなたの目がそうして前を見続ける限り
私はここから抜け出せないのです
永遠の孤独を約束されたこの場所から