ワナビー

どうなりたい?
そんなもの
裏切るのもまた自分なんでしょう
ばかばかしいよ
笑って切って捨てることもできず
何度も何度も問いかける
どうなりたい?
わたしはあなたになりたい
はにかんで言えた頃もあったよ
どうなりたい?
訊かないでそんなこと決まってる
わたしはいつかわたしになりたい
何度その水滴に
うがたれたっていい

 かわいいひと

きみが笑う場所にいつもいたい
きみが泣くのは見たくない
きみの涙を見るのはつらい
だってきみは無関係のひとの前でしか泣かない
どうか泣かないでかわいいひと
きみを泣かすのが世界でぼくだけなら良かった

 ライライ

生きにくさは死に近いと思ってた
この生きにくさが極まったとき
わたしは死ぬんだと思ってた


あなたに出会って
そうじゃないと知って
かみなりにうたれたような
衝撃が走った


生きにくさの果てに死なんかなかった
それとこれとはまったく違うものだった
日々からだを蝕むあれこれは
むしろ生とイコールだった


いつか
あなたやわたしが
ぱったりと
本を閉じるようにいなくなっても
それは
生きにくさが極まったからじゃない
ただかみなりにうたれただけ


かなしむなんて
ばかげてる