ギフト

ごめんなさい
何度言っても足りない
どうしてこんなことになってしまったんだろう?
いくら涙をこらえても髪をなでる手はない



そうだよ望んで壊した
この手を切り落としても2度ともどらない
決してかえってはこない



泣いて泣いて泣き通した
一瞬をさらうように朝が来る



あたたかい闇をほしがって泣く
私の背を照らした
つめたく身勝手な容赦のないその光に
私はふと気づく
ずっと求めていたものが
自分の足元にあること



どんな卑怯でも消去できない
過去はどこまでも冷徹に
私の足元に横たわっていた
うまれてはじめて私は
決して揺るがない
かたいかたい足場を手に入れていた



泣きながらそこに立った
足裏はよろこんでいた
私も笑った
蹴り上げて走り出す
くずれない沈み込まない
暗く湿ったかたい足場



突き出た出っ張りに足を取られて転んでも
無造作な鋭角に何度肌を切られても
私は笑うだろう



救いをありがとう
ずっと欲しくてたまらなかった
だれも私にくれなかった不変を
あなたは最後に私に遺した