やさしいことば2

やさしいことばをひろったんだ。
昨日、オレンジの空を桃色の雲が流れてゆく夕方
道端でひとりぼっちのピアニストが落とした
やさしいことばをひろったんだ。



それがあんまりすてきにちかちか光っていたものだから
月色のアイスクリームスプーンの柄につけて
真珠色のリボンを結んでさ
今は身体の半分がチョコミントでできてる
君にプレゼントしなきゃって思ったんだけど、ごめんね。
透明な窓が水色にまたたく明け方
彼の夢まで届けに行ってきたよ。



許してくれる?



だってあちらこちらにやさしいことばを落として歩く彼のピアノは
とても切なくて、ひとりで聴いていると胸がぎゅっと痛くなる。
もちろん、それもとってもすてきなことだけど
もしいつか、やさしい彼のしあわせなピアノを君と一緒に聴けたなら
それはきっと途方もなくすてきなことだと思ったんだ。