lost child

忘れなくてはいけないと僕の手を強く握って言った


世界の全てを両手でつかめた君がいた日常
不思議なことはひとつもなかった
全ては美しく調和して
君は花みたいに笑っていた


さわれない現実がこの世にあるのだと気づいた夕方
僕の視界は途方もなく広がり
確かなぬくもりだけを残して君は消えた