線

手癖でひかれた線はうつくしくないかなあ
口癖になった言葉は誰の胸も打たないかなあ
この惰性を罪悪という
君の望む新世界は
拙い子どもの手が作っては壊す泥細工じゃないのかなあ
ぼくの目は悪くて
なにひとつハッキリとは捉えられないけど
惑わない君のゆき方は
ひとにはあり得ないきっぱりしたライン
鋭く尖った刃物のような直線
とてもとてもうつくしいけれど
ぼくには要らないかなあ
描いても描いても歪んで絡まるぼくのライン
でたらめで目障りだけど半分くらいベクトルはあるよ



閉じてほどけても動き続ける